Javaによるフリーター就活支援  (河合 通之 氏) 

2007年1月13日 事業シーズ交換会

 “つくば”からまいりました河合と申します。私ども電脳郷という会社でございまして、平成17年からJavaスクールをやらせていただいています。今回、橋本さんのご紹介でここにおじゃまさせていただきました。このJavaスクールですが、ひょっとしたらつくばモデルから早稲田モデルが創造できるのではと思い、発表させていただきます。

 我々のJava スクールというのは受講生が23歳〜28歳、せいぜい30歳までの未就職者いわゆるフリーターがターゲットです。フリーター・ニートとよく言われるのですが、どう定義付けしたらいいのか分からないのです。コンビニでアルバイトし年収100万円のフリーターがいるとします。「携帯持って」「車も持って」「合コンもやって」、これでどう考えてもフリーターとは言えないんじゃないかと、ニートの一つじゃないかと思うんですね。親のバックボーンがあって始めてできること、これはフリーターとはちょっと違うんじゃないかなと。

 昔は学校卒業すれば就職するものということだったのですが、今は流動的で、働かなくとも別におかしくない。何故、働かないのか?。Javaスクールを運営してから分かってきた事ですが、彼らは職業を限定することに自信がないんですね。何をしたいんだか余りに情報が多すぎてあれもこれもできそうで、どうも決定的な自信がないと言いますか、そんなことでもやもやしているみたいです。全部が全部じゃないですが、あれもこれもと考えているうちにいつのまにか30歳を迎えようとする人が多くなってしまっているようです。

電脳郷 代表取締役 河合通之
電脳郷 代表取締役 河合通之

 そこで23歳〜28歳までの人達が本気でコンピュータに興味があるんだったら世界で通用する技術者になってみないか、ということで声をかけました。彼らからJavaスクールを受講する時に、お金がないのだから、お金はとれないだろうし、親からお金を出してもらうのはちょっと趣旨が違うだろうと思いまして、だったら先にあなたを信用して徹底的に3ヶ月間鍛え抜いてIT企業の現場に迷惑をかけない程度までもっていこうと、必ず3ヶ月間無料で教えます。我々は教育だけでなくシステム開発もやっているので、新しい技術も提供できるのです。そういう高度な技術を全くコンピュータの経験がない人に、どうやって3ヶ月間で徹底的に鍛え、現場で使えるようになるのかさんざん研究しました。何とか初級技術者として現場に迷惑かけないとこまでもっていけるというところまできました。

 でも、どうやって売上げているのかなという話になるのですが、企業に1年間派遣するこで派遣費用の中から我々のほうへ教育費用ということで還ってくる仕組みです。つくば方式と言っておりますが、いばらき人材開発センターさんという三セクなんですけど、そこと協力し実現しています。

電脳郷 代表取締役 河合通之

 受講生が無料だから喜んでられるかと言うとそうではなく、よくよく彼らの話を聞いてみると、派遣され給料が入るまでの約4ヶ月間相当無収入なわけです。これはかなりリスキーでもあると思います。我々から受講生へ受講期間はアルバイト禁止としています。それは「徹底的に考えること、徹底的にやりぬくこと」を基本としているからです。彼らにしてみれば今までで一番勉強した3ヶ月間として欲しいのです。とにかく勉強に集中してくれと、24時間トータルケアのグループウェアを使い、卒業生からもアドバイスが受けらたりします。ただ講師から教えるだけでなく、横のつながり同期なら同期の連中と連絡が取れるようにグループウェア使っています。それに1年間は働いて自分のお金で授業料は完済しなさいと。そういう了解のもとに彼らとの戦いが始まるわけなんです。この3ヶ月間をくぐりぬけた人間は顔が変わります。今までぼけーっとしていたんですけどはっきりとした顔立ちになります。正直言って顔は変わるんだなと、特にこの23歳〜28歳までの間は、僕の経験では一番大人になることが実感できる大切な時期じゃないかと思います。ここで本当に苦しんで苦しんでもがきながらもJava技術を勝ち取ったとなると自信になるんでしょうね。表情が変わってくるのが我々教えていてわかります。僅か3ヶ月間なので教えられる内容にも限界がありますが、我々が大事にしているのは受講生のコミュニケーション能力です。とにかく自分が知らない世間とのコミュニケーションの取り方がへたなんですね。だから、とにかくしゃべらせる、発表させる、考えを伝える、考えを伝えるだけじゃなくて人の意見を聴く、そんなことをいろいろ角度を変えてやっております。ヒューマンスキル講義では、ゲーム開発の上流工程をグループを組んで、プレゼンテーションからマーケティング調査、アイデアをまとめるなど、喧々諤々となりながらもグループで自主性を重んじて作業をさせていきます。なぜゲームでやっているかと言えば、彼らが得意な分野だからです。得意だから積極的に意見を言う。積極的だから質問や応答も荒々しく攻撃的になってしまう場面もある。自分の意見を通そうと、得意のところでやるから本性も出る。それを指摘されることでそれぞれが後に実感し反省したり、気がつかなかった自分を発見できるのです。

電脳郷 代表取締役 河合通之

 Javaスクールを受講するには書類選考と面接があり、これはいけるんじゃないかという人材を絞ります。ただ単にテストの成績が優秀な人だけではありません。面接重視です。やる気のある人、将来は世界に通用する技術者になろうと夢を持っている人、そんな人を広く募集しています。 そこで、つくば方式のJavaスクールが早稲田で行うとどうなるのか?、日本人だけでなく、インド人なども加えアジアの中でも堂々と勝負ができる強いIT技術者を育成し、それを団塊の世代が経験してきたビジネスノウハウをさらにプラスすることで、本当に強い技術者が育成できるのかもしれません。ありがとうございました。

電脳郷 代表取締役 河合通之
電脳郷 代表取締役 河合通之

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