団塊世代が大学の街でいったい何が出来るだろう?

早稲田の街での四半世紀にわたるチャレンジを、当NPO理事長の話を交えながら、ちょっと振り返ってみよう。

その前に「地域猫」のはなし

発端はかれこれ10年前にさかのぼる。
政経学部に猫好きのT教授がいた。
増えつづけるノラ猫にいつも餌をやる先生の姿を目撃した学生が、ある日「先生、そんなに好きなら飼っちゃえば」などと言った。
ねこ文化比較学専門のT教授はすかさず、「君ぃ、なぜノラが増えて、どうすべきか、そういう視点で考えてごらん」と答えたそうな。

この瑣末な会話が発端となり、のちに学生サークル「猫の会」が結成され、ノラを捕獲して断種し、地域猫として見守る活動としてスタートしたという。

学生たちの台所である飲食店をかかえる商店会でも、増えつづけるノラ猫対策に同じような悩みを抱えていた。
「命ある動物だしなぁ、地域全体で対策を考えられないか?」と。
そのボヤキはやがてサークルに聞こえることになり、両者で話し合いがもたれ、話はトントン拍子に進んだ。町内会長は寄付金集めに奔走し、学生たちはチラシ作りなどに若い行動力を発揮して地域で猫を見守る、連携が動きだしたのだ。

「情報を共有する」ことによって「連携」を模索し、「地域と世代を越え」「地域の問題をみんなで解決しようとする」体制作りが結実したのだった。それは「自然」や「環境」問題を、地域ぐるみで考えたり、取り組む姿勢として、暮らしのなかに息づくきっかけとなっていく。
キャンバスをノラ君がのうのうと横切っていく。
商店街の陽だまりに猫が寝そべっている。
命あるものへの優しい見守りが、早稲田の街に、こうして生まれた。


団塊世代が大学の街でいったい何が出来るだろう?
  1. その前に「地域猫」のはなし
  2. 「地域のネットワーク創りには、パートナーシップ精神で!」
  3. 事態を打破するために「社会人に開かれたアメリカの大学を視察して廻る」
  4. 「パリのカルチェラタンのような、大人の文化がある学園の街へ」
  5. これからNPO(非営利団体)として「より広く社会性のあるテーマへどう進化していくか?」

〒162-0045 東京都新宿区馬場下町9-8技研早稲田ビル5F TEL&FAX 03-3207-0700
(C) 2007 特定非営利活動法人 団塊のノーブレスオブリージュ All rights reserved